師走を迎え時間の流れが早く進むのを感じる12月1日、第6回のラボが開催されました。そんな中でも、いつもと変わらない時間が流れるオークファーム。あたたかな陽射しが眩しい昼下がりに、ラボはスタートします。 ラボのはじまりは、ガーデンの収穫から。 二十日大根や日野菜カブ、飛鳥大根の小さな実付きの間引き菜が収穫できました。大きさを測るために、手のひらをいっぱいに広げてだいたいの長さを割り出すと、もともと長ーく伸びる飛鳥大根や日野菜カブは約10cmの長さにまで成長していました。 まだまだ細くて小さな、大根やカブですが、これから寒さに耐えながら少しずつ成長していくことでしょう。12種類の異なる種類の食べ比べが出来る日もそう遠くはないかもしれませんね。 続いてのガーデンでのミッションは、「まほうのスプレー」をつくること。この得体のしれないまほうのスプレーの材料は、納豆とヨーグルトとドライイーストと砂糖とお湯。そうなのです、すべて食べられるものでできているのです。このスプレーには、それぞれの食品から納豆菌、乳酸菌、酵母菌が採取されます。その菌が発酵する過程で野菜や土に栄養を与えてくれたり、菌の効果で野菜につく病原菌をやっつけてくれるという効果を発揮します。 作り方もいたってシンプルです。粉類に液体類を加えて交ぜて、完成です。あとは時間が混ざった液体に発酵という魔法をかけてくれれば、まほうの液体のできあがり。効果のほどは、次回のラボで試したいと思います。私が家に持ち帰った液は、お風呂場やトイレにまいて水アカや匂い防止に使われています。まほうのスプレーは、実は掃除の際にも偉大な威力を発揮するんですよ! ガーデンからキッチンへ場所を移して、今回のテーマである「大豆」について学びます。 日本ではお馴染みの大豆は、古来より様々に加工され醤油や味噌などの調味料になったり、発酵させて納豆にしたりと変幻自在に日本人の食を支えてくれています。そんな大豆のことをよりよく知るために、大豆の変身ぶりをマインドマップを使って整理しました。 この日のキッチンでのミッションは「豆乳一杯分に使われている大豆の数をリサーチしよう」というもの。 子どもたちは提示された大量の大豆を目の前に、はじめは数えようと意気込んでいましたが、ラボ中に終わらないんじゃないかということになり、もっと効率的な数え方をしないといけないということになりました。そこで登場したのが、この大小さまざまな升です。これは一定数をはかるはかりであり、お米を大名に収めていた時代には不正を防ぐ貴重な基準だったのですね。このはかりを使ってどうはかりましょうか? 班ごとに知恵を絞ります。少量なら短時間ではかれることに気づいた子達は、升は使わずにプリンカップ(現代版升)一杯分をまずはかり、それが何回分なのかという掛け算を使って数をカウントすればいいということになりました。これなら、時間内に間に合いますね! 算数を授業で勉強するとき、まずは九九を覚えて、筆算をしてという具合に紙ベースで勉強を身につけていきます。大豆を数えるということが実は算数を学んでいることになるなら、子どもたちはもっと目を輝かせて算数に没頭できるかもしれません。この日、豆乳を作るのに使った大豆の数はなんと約1680粒!!この大豆から何杯分の豆乳がとれるのか楽しみですね。 では早速に、豆乳作りに移行します。一晩水につけた大豆を戻した水とともにミキサーで攪拌します。 その後、水を加えて沸騰手前で約10分ほど火を入れて、さらしで漉します。ギューッと水分を絞り出していきます。 絞り出したあとにできるのが「おから」です。綺麗な色の豆乳ができあがりました!取れた豆乳でホワイトソースを作る予定を変更し、おからグラタンを作ってみんなでいただきました! さて、気になるのはミッションである「豆乳一杯に含まれる大豆の数」、みなさんは果たしていくつだったと思いますか? 気になる答えは・・・約210粒!! 大豆全量(1680粒)からコップ8杯分の豆乳が取れました。掛け算の次は割り算ですね!何とも贅沢な豆乳。手間暇かかってここまでたどり着くストーリーがわかると、味わい方もきっと変わりますよね。無事にミッションも終わり、大豆一色の一日となりました。

