Daily Archive: 2013年11月30日

Nov 30 2013

Life Seed Labo 第5回

11月17日、天候に恵まれ秋晴れの陽気に包まれたオークファームにて第5回のLife Seed Laboが開催されました。 前回のラボから2週間。2週間のあいだに、果たしてタネだんごは育っているでしょうか。タネだんごの様子が気になります。ドキドキしながらガーデンにやってきてみると、何とこのような状態に! すごい生命力を放ちながら、タネだんごがびっしりと芽を出していました。自然の力だけで何の手を加えずとも育ちゆくタネだんごの存在は、私たちが野菜を育てる上でどれほど手をかければいいかというのを考える際に「過不足」の加減を教えてくれる一つの基準になってくれるような気もします。また、どの芽がでるか分からないというその特徴は、子どもたちの中に眠るたくさんの可能性をも連想されるものだなとも思ったりします。   次に、前回に続いて間引き菜の収穫をします。間引き菜の様子を見てみると、一部レースリーフになってしまっていました。つまり、虫食い葉っぱです。葉っぱに近づいてよくよく見てみると、真っ黒な虫がいるではないですか!?この虫、実は「カブラハバチ」というハチの一種の幼虫で、カブラのベビーリーフを食い尽くしてしまうほどの食いしん坊。間引き菜たちの天敵だったのです。そこで、みんなで一生懸命カブラハバチを一つ一つ丁寧に取り除いて、間引き菜を天敵から救うことにしました。こうした手入れも野菜を育てる上で欠かせない作業。こうしたひと手間が野菜を大きく育てていくのですね。 ガーデンの最後の作業は、苗の植え替え。種から育てていた白菜の苗がちょうどいい大きさになったので、自分たちのガーデンに植え替えることにしました。苗を植えるときには、まず畝を立てます。鍬の使い方を習いながら、実際に体を用いて体に道具の使い方をなじませていきます。何を使う場合でも、頭でシュミレーションするのと実際に使ってみるのとでは、大なり小なり違いがあります。その両方を繰り返しながら、道具をうまく使いこなせるようになるのかもしれませんね。 みんなの協力のもと、畝ができあがり、30cm間隔で白菜の苗を植え付けていきました。苗を植え替える際には、ポットから出した苗にしっかり水分を染み込ませてあげることと、新しく移った場所の土と苗の土を馴染むように軽く押してあげることがポイントです。これから鍋本番の季節、美味しい白菜を収穫して鍋を囲める日が来ることも楽しみですね。     今回のキッチンは「組み合わせを楽しもう」というテーマのもとで、メニューはスパイシーカレー。たくさんのスパイスの色と香りを見たり嗅いだりしながら、五感をフル稼働させて組み合わせを選んでいって、ガラムマサラから作るという本気のカレーでした。 その前に、スパイスの特徴をよりわかりやすく捉えて分類するために、シンプルマインドというiPadアプリの使い方を学びました。これは一つのテーマを根幹にして、それに関連するものや事柄をそこから伸びる枝としてすべて繋げていき、書き出したあとに頭の中を整理するように分類していくのをサポートしてくれるツールです。これをうまく使うと、一つの概念をいくつかの階層に分けて覚えていくことができたり、時系列に並べて作文が楽になります。これを使えば、物事を整理して考えることが苦手な人や考えを文にしていく人も苦手なことを克服できるかもしれません。   スパイスについて少し頭を整理したら、いよいよ様々なスパイスの中から組み合わせを選んでいきます。カレーのもととなるガラムマサラに取り掛かる前に、間引き菜にかけるドレッシング用のスパイスをまず選びました。クンクンと鼻をならしながら、香りを確かめたり、ほんの少しだけ味見をしたりしながら、チーム内でどれを選択するか決めていきます。 写真にあるように、ウコン、チリペッパー、ベイリーフ、ジンジャーなどが選ばれて、各班ごとに選ぶスパイスが違うので、味はもちろんのこと出来上がりの色が全く違うところも面白かったです。   ではお次はガラムマサラ!ホールスパイスの中から4種類の好きなスパイスを選んで、ミキサーとすり鉢で粉状になるまで砕いていきます。スパイスの硬さには本当に驚きました。まだまだ大きいものは包丁でくだいたりしながら、知恵を絞って何とか大さじ一杯分のガラムマサラを作りました。スパイスの香りで充満したキッチンでは、必死にガラムマサラを作る懸命な子どもたちの姿がありました。 最後にベースのトマトソースと出来上がったガラムマサラを加え、スパイシーなトマトカレーに仕上げていきます。カレーが出来たら盛り付けて、サラダには自分たちで作ったオリジナルのドレッシングをかけていただきます。 スパイスの色と香りに魅せられながら、組み合わせを考えていく中で、普段食べているカレーとはひと味も、ふた味も違うカレーが出来上がりました。ひと皿のお皿ができるまでに、野菜が育ちゆく時間やたくさんの手間があることを知った子どもたちの心の中には、ここで食べたカレーの味は深く刻まれることでしょう。同じ味をいつでも食べられる現代社会において、二度と同じカレーに出会うことはない今回のカレーは世界でひとつだけの価格を付けることができない価値をもったカレーだったのではないでしょうか。今回も、子ども研究員のみんな、根気づよく頑張りましたね!タネだんごから出た芽のように、子どもたちの心にも一つの新たな芽が出たことを願っています。