Daily Archive: 2014年12月25日

Dec 25 2014

豆から学ぶ言葉と数のフシギ

2014年11月24日(月)に開催されたLife Seed Labo2014年秋期プログラム。このプログラムでは「豆から学ぶ言葉と数のフシギ」をテーマに、世界の豆料理を通して数え方の面白さを学びました。 豆を数える方法にはどんな数え方があるでしょうか。例えば「一粒」というとても小さな単位から、「一袋」というパック詰めされた状態を表す大きな単位まで幅広い数え方があります。 そこには、農作業や加工、流通といった様々な場面で扱われる豆の様子を伝える”言葉のパワー”が秘められています。 様々な数え方を探しに、まずはガーデンに向かいます。豆の数え方と一言といっても、豆がどんな状態にあるのかによって数え方は変わってきます。豆が土で育っている状態では、「1株」や「1本」という数え方をするのではないでしょうか? では収穫する時はどうでしょうか。「豆を収穫して下さい」と大雑把に伝えるだけでは、どれくらいの量を収穫したら良いか分かりません。そんな時には、豆の量を表す数え方が必要です。例えば、「1房(ふさ)」といえば、ぶどうの粒が房になって連なっている状態をイメージするように、一つの枝に房になっている状態を表します。一方で、「1莢(さや)」というとサヤエンドウのように何粒かが袋状の莢の中に入っている状態を表すため、「房」よりも小さな単位になります。このように、数え方を変えるだけで相手に豆の量や状態まで伝えることができるのです。全てを「1個」や「1つ」で数えるよりはるかに情報量が多い数え方だといえるでしょう。 続いて収穫した豆を選定して、種類別に保存していきます。この時には、「莢(さや)」よりももっと小さな単位を表す「粒(つぶ)」の状態にしていくことになります。大切なタネになるので、一粒一粒ていねいに・・・ さぁ、ガーデンでの農作業を終えて、次はキッチンへ移動です。 今回は世界の豆料理として「ビーンズサラダ」「ファラフェル」「ビーンズスープ」の3品にチャレンジです。 キッチンでも、豆にまつわるたくさんの数え方が溢れています。なぜなら、豆から作られる加工品の数はかなり多く、それぞれの流通の仕方によって数え方も異なるからです。大豆を発酵させた納豆は小分けの発泡スチロールに入ってで流通するため「パック」、醤油のような液体の瓶だと「本」、細かく粉砕された粉状のきな粉は「g(グラム)」、豆腐は「丁(ちょう」など。 キッチンツールに目を向けてみると、道具も数を正確に量るために大小さまざまな形と大きさのものがあります。「すくう」という一つの行為をとってみても、計量スプーンからお玉やレードルまで多種多様です。 子ども達とも豆とキッチンツールに関連した数え方を探しました。動作から想定されるものだけでも、「1つまみ」「1さじ」「1まぜ」「1かけ」「1回」「1押し」「1滴」など。日本語の数え方が500種類以上あるというのも納得です。 いよいよ、料理のスタートです。材料の量を表す単位を工夫して、自分オリジナルの数え方を入れたレシピを作ろうというミッションにも挑戦!! 子ども達は目の前にある道具をうまく使いながら、粉の重さを量ったり、トマトやキュウリなどの野菜の数を表したり、液体の量を計量してレシピを完成させました。 生活の中にはたくさんの数が存在しています。むしろ、数をカウントせずに生活することは不可能に近いでしょう。それだけ私たちの生活に密接に関わる数を表す言葉が豊かになれば、伝えたいことをより詳しく相手に届けることができるようになるでしょう。皆さんも、少し意識して数え方に目を向けてみませんか。そうすると、今まで見えなかった物の状態や量、それを扱う道具の使い方や使う状況までもが色鮮やかに彩られた世界が目の前に広がるかもしれません。